業務用ラベラー(ラベル自動貼付機器)の寿命を伸ばすメンテナンス方法
業務用ラベラーは、長く使用しているうちに汚れや傷みが出てきてしまうものです。汚れがたまると、故障の原因になってしまうことも。定期的にメンテナンスすることによって、いつまでも気持ちよく使え、機器の寿命も延ばすことができます。
ここでは、業務用ラベラーを長持ちさせるための正しいメンテナンス方法についてまとめました。
ラベルやインクリボンが接触する内部クリーニング
業務用ラベラーは、紙にラベルを印字して作っています。発行を繰り返すうちに内部がインクなどで少しずつ汚れてくるため、日にちを決めて定期的にクリーニングをする必要があります。
ここでは、特に気をつけて清掃したい部分を2箇所説明します。なお、感電を防ぐため、クリーニングの前には必ずラベラーの電源を切るようにしてください。
サーマルヘッド
サーマルヘッドは、ラベルやインクリボンに直接触れる部分です。このヘッドが発熱することによってインクがラベルに移り印字されるという仕組みなので、どうしても汚れやすいです。清掃は、ウエスと呼ばれる柔らかい布にプリンタ清掃液を含ませて拭くか、細かい部分の掃除に便利なクリーニングペンを使うと便利です。
なお、サーマルヘッドは使用後高温になっている場合があるため、しばらく待って冷めたことを確認してからお手入れしてください。
プラテンローラ
プラテンローラーは、ラベルの紙送りや、ラベルとサーマルヘッドを圧着させるために使われる部分のこと。ここも直接ラベルに触れるため汚れやすく、定期的に清掃する必要があります。サーマルヘッドと同じく、ウエスやクリーニングペンを使ってクリーニングすることをおすすめします。
必要なメンテナンス用品
業務用ラベラーを清掃するためのメンテナンス用品はさまざまにあります。ここからは、よく使われる代表的な用品をいくつか紹介していきましょう。
プリンタ清掃液
ポンプスプレー式の液体で、サーマルヘッドやプラテンローラー、通紙ルート、リボンルートなどについたインクや糊カスをきれいに取り除く効果があります。
ウエス
機器の汚れを拭き取るために使われる、吸水性に優れた柔らかい布のことを指します。プリンタ清掃液を含ませて使うことが多いです。
クリーニングペン
ペンの形をした清掃用具で、サーマルヘッドやプラテンローラーといった細かい部分を清掃するために使われます。ペン先にはプリンタ清掃液があらかじめ含まれているため便利です。ペン先が汚れたときのための替芯もあります。
エアスプレー
エアスプレーとは、ノズルから空気を噴射して清掃する用品です。内部に付いた紙粉や埃を吹き飛ばしてきれいにします。
ラッピングシート
ラッピングシートとは薄いフィルムのことで、サーマルヘッドとローラーの間に挟んで引っ張ることによって、ヘッドに付いた汚れを取り除くことができます。プリンタ清掃液では落としきれない頑固な汚れを除去するために使われます。
サットル(スプレータイプ&ハケ付きタイプ)
サットルは、貼り付いたラベルを剥がすために使われます。内部に付着した糊残りもきれいに取り除くことができます。スプレータイプとハケ付きタイプがあり、比較的広範囲の除去にはスプレータイプが、細かい部分の除去にはハケタイプが使われます。
なお、サーマルヘッド部分の清掃には使用できないため気をつけてください。
プリンタ清掃シート
清掃液を含ませた使い捨てシートで、日常的なお手入れに使われます。一枚ずつ個包装なので乾燥しにくく、持ち運びにも便利です。
内部クリーニングするときに注意するポイント
内部クリーニングのやり方を間違えてしまうと、その後きちんと作動しなくなり慌ててしまいます。清掃時や、ラベルロール・インクリボンの取り替え時にいくつか注意すべきポイントがあるので、一つずつ解説していきましょう。
ICチップ付近を避ける
ラベル内部にICタグが組み込まれたICラベルというものがありますが、これはICチップが埋め込まれた箇所がわずかに盛り上がっているため、きれいに印字できない場合が多いです。ICチップ付近の箇所には印字しないことをおすすめします。
ラベルロール巻きのセット向き
ラベルの元となるラベルロールを機器にセットする際に、向きを間違えてセットしてしまうと、印字できなくなってしまうので気をつけましょう。ラベルの印字する方が外に出るように巻かれているロールと、内向きになるように巻かれているロールがあり、どちらのタイプなのかでセットの仕方が若干異なってきます。
インクリボンも同様に、表巻きのものと裏巻きのものがあるため、どちらのタイプなのか確認して、セッティングを間違えないようにしてください。
ラベルやインクリボンの通し忘れ
よくある間違いが、ラベルロールやインクリボンを、ダンバーやガイドローラに通さずにセットしてしまうというものです。ダンバーやガイドローラーを飛ばしてセットしてしまうと、センサーエラーが出てしまったり、うまくラベルやインクリボンが流れず印字がおかしくなったりします。急いでセットしているときに起こりがちなミスなので、なるべく落ち着いて作業しましょう。
用紙フォルダはしっかりセット
用紙フォルダにラベルロールやインクリボンを取り付けたあと、それらを固定する用紙フォルダガイドを軽く当たるようにして、しっかりセットするようにしてください。
用紙フォルダへの押し込みが不足してしまうと、次第にロールの位置がずれていってしまい、ラベルへの印字も少しずつずれていってしまいます。
適度に交換したほうがよい部品
サーマルヘッド
熱を発して印字する部分なので、どうしても傷みやすいです。傷んだ部分は印字がされないため、出来上がったラベルに白い線のような空きがでてしまいます。
業者を呼ばずに自分で交換できる機種がほとんどなので、忘れず定期的に交換するようにしてください。
プラテンローラ
ラベルをピンと引っ張る部分ですが、使い続けるうちに劣化してしまい、うまくラベルを引っ張ることができなくなります。プラテンローラーが弱まると、印字が歪んだりつぶれたりして読めなくなってしまいます。
こちらも自分で交換できるため、定期的に交換しましょう。
適度にメンテナンスして業務用ラベラー寿命をのばそう
業務用ラベラーのメンテナンスについて説明してきました。クリーニングや部品交換を怠ると、ラベルが上手く印字できなくなってしまうだけでなく、機器の故障にもつながってしまいます。定期的にメンテナンスすることで、業務用ラベラーを長持ちさせてくださいね。